りん : 代表 日高大樹さん

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20才のとき、何してた?

2020.12.17

りん : 代表 日高大樹さん

京都の古着屋のオーナーさんの20才頃のファッションヒストリーや、最近のお気に入りの古着に至るまでを辿るインタビュー。今回は、18歳より京都の古着屋ひと筋の、まさにレジェンド。『りん』の代表 日高さんにフォーカスします。

20才の頃、
何をしていましたか?

高校を卒業して、すぐに『カンビオ』で働いてたのでずっと古着屋でしたね。
入って半年くらいでアメリカ買い付けに連れて行ってもらって。
でも、運転免許を持ってなくて、免許取ったのがちょうど20才でしたね。
それからはひとりで海外買い付けに行って。
で、僕が22才のときにレディースのバイイング担当になったタイミングで、物件を見つけることからスタートして『りん』がオープンして。

仕事が終わったらみんなで夜な夜な集まって飲みにいって、朝まで遊んで、昼前に出勤、みたいな、そんなことの繰り返しでした。

20才の頃に
買った古着は?

自分の中で将来洋服を作るだろうと思っていたので、洋服を作るためにヒントになるような古着をたくさん見て集める、というのをずっとやっていました。
結果的に2007、8年頃から洋服を作り出すんですけど、その頃に集めた古着はいままた新鮮ですね。

ちなみにこのピタTは人生で初めて買った古着です。
サイズ的にもう着られないですが(笑)

最近の
お気に入りの古着は?

年齢的に、特に30半ばからは、おじさんとおじいさんの狭間みたいな感じで洋服を着るのが定義みたいになった。
若い頃から古着をずっと見続けているので、その中で自分のなかにピンとくるワードローブが残っていて。
流行は巡る、ってよく言うじゃないですか? それって表面的な流行じゃなくて、自分のスタイルとしての流行が繰り返されているんだなと解釈しています。

そういった意味で、この3つボタンのレザージャケットはパリで21、2才頃にヨーロッパで買ったものですが、最近よく着ていますね。
当時はアディダスのジャージパンツを合わせたりして。

ストールは、カシミール地方で作られるハンドトゥースのタペストリーの残端です。
織りの雰囲気もペイズリー柄も全部がすばらしい。

あと、いつか自分に合う古着のスーツを見つけたいって、バイヤーの方には共感してもらえると思うんですが、この1910年代のパンツはレングス、シルエットなども完全に自分にピッタリ。
肥える前も肥えてからもなぜかピッタリ(笑)。
一生手放せない古着ですね。

今後の京都で
やっていきたいことは?

また服を作りたいとは思います。
10年くらい服を作っていたときもそうだったんですが、いわゆる展示会を開いてバイヤーに来てもらって、っていうスタイルではなくて、自分たちがイチから縫製して作り上げたうえで、お客さんに届けるっていう。
そういう作り方で、アーカイヴや新しいものを作ることができたら、とは思いますね。

古着やファッション初心者に
伝えたいことは?

心にピンと来るが来ないかだと思うんですよ。
ピンと来るものが分からなければ、ピンという感覚が分かるまで、たくさんの物を見たほうが良いと思う。
でも、たくさんの物を見れば身を結ぶっていうことでもなくて。
そのなかで自分らしい物を抽出していくというか。
いまだと、服に限った話ではないですが、インターネットとかで買うことが増えて、実際に物に触れて買うっていう行為自体が減っているじゃないですか。
やっぱり現物を見て触れることで、そのピンっていう感覚で物を選べるようになることが大事やと思いますね。
その感覚って永遠に残ると思うので。