
20才のとき、何してた?
2020.12.15
META : 店長 矢田真奈美さん
京都の古着屋のオーナーさんの20才頃のファッションヒストリーや、最近のお気に入りの古着にまでを辿るインタビュー。今回は、2011年にオープンした『メタ』の店長を務める、矢田さんにフォーカスします。
20才の頃、
何をしていましたか?
その頃は芸大(京都芸術大学)に通っていました。
週末にはアメ村のクラブによく行っていましたね。
終電で大阪へ向かって始発で帰ってました(笑)。
当時はエレクトロブームだったので、ファッションも’80sのバチバチとした格好やモードが多かったイメージです。
ファッションと音楽がリンクしていたのが印象的でした。
イベントにスナップの取材でもよく入ってましたね。
学生時代はそんな生活を送ってました。
学校でファッションを学ぶことも大切でしたが、当時私自身ストリートカルチャーに対して魅かれていたので外のコミュニティーも重視してました。
必然的に他の学校の人たちと遊ぶ方が多くなっていました。
ちょうどその時に『META(メタ)』のオーナーとも知り合いました。
オーナーは同じく学生をしながら海外買い付けなどして古着を通してビジネス的な知識を持っていて、私自身は服の製作をしたかったので、「一緒にできたら面白いよね」と話してました。
その後23歳の時にブランド(<METAPHYSICA(メタフィジカ)>)を立ち上げ、フラッグショップの『META(メタ)』をオープンしました。

1枚目は、岡山の某古着屋のオープ二ングレセプションパーティーの時の写真です。
この時、みんなでヴィンテージを着ようって話になって、その店の服を使ってドレスコードを決めました。

2枚目も、同じくその古着屋での写真です。
<METAPHYSICA(メタフィジカ)>の取り扱い先でもあったので、そのオーダー会で出張した時ですね。
20才の頃に
買った古着は?

<リーバイス>の501です。
元々はもっと色も濃く、丈もちゃんと処理してた状態でした。
自分で切って破いてこうなりました。切ったことでフレアっぽくなっているのが面白いですね。
妙に小慣れた感じが気に入ってます。
私自身あまり服を捨てないタイプなので、着る時期着ない時期はあるのですが、最近は気分で良く着ています。
最近、買った
お気に入りの古着は?

神戸の『ウパニシャッド』さんで買ったベトジャンです。
ずっと欲しかったんですけど、中々良い状態やサイズに出会えなくて。
レギュラーで良いものは持っておきたいですね。
なぜ京都で古着屋を
始めましたか?
京都に住んでいたのもありますし、“MADE IN KYOTO”というのを掲げたくて始めました。
学生時代大阪で遊んでいたのもありますが、
ファッションシーンで京都発というのがあまり無かったのと、少し京都って特別なイメージがあると思います。
歴史的な景観や独自の文化とか。
ということもあり、<METAPHYSICA(メタフィジカ)>のタグには“MADE IN KYOTO”という文言は入れています。
もし古着屋を
やっていなかったら?
前職時代に、ここのオーナーに誘われて今があるのですが、それが無かっても何かしらファッションで繋がっていたいという考えはあったので、独立してブランドなりお店をやっていたと思います。
今後の京都で
やっていきたいことは?
今は昔に比べて熱狂的にファッションにのめり込んでる人が少ないと思うので、そういった人を増やしていけるようにしていきたいですね。
今は二次流通などで安く服が手に入るツールが増えましたけど、ファッションブランドを衰退させるきっかけにもなると思うんですよね。
例えばそこで好きなブランドの服を買い物してもブランド側には一銭もお金が入ら無い。
極端な話、ブランドがすたれてしまうという流れになると思うんですよね。
だから、正規取扱店で買い物する付加価値がいかに大事かということを感じて欲しいなぁとは思います。
そこに付加価値を持てる感覚を店として伝えていきたいですし、自然とそうなる環境づくりが大事かなぁとも思います。

古着やファッション初心者に
伝えたいことは?
最初は古着の良し悪しの判断が難しいと思うんですよね。
だから、初めてだからこそ、しっかり接客を受けた方がいいと思います。
古着の良さやカルチャー、着方だったりを伝えられますし、それによって惚れ込んで買った方が良いと思うので。
ファッションはライフスタイルが大きく変化するくらい影響力があります。
妥協しないファッションを楽しんで欲しいです。