
20才のとき、何してた?
2020.11.30
EVE : オーナー 佐藤由紀子さん
京都の古着屋のオーナーさんの20才頃のファッションヒストリーや、最近のお気に入りの古着にまでを辿るインタビュー。今回は、1999年にオープンし、今年で21年目を迎えた『イヴ』のオーナー佐藤さんにフォーカスします。
20才の頃、
何をしていましたか?
美大生(京都精華大学)してました。
CD屋とか古着屋でバイトしながら、ライブ行ったり、あと、学校終わったら古着屋に走ったりして服を買い漁っていましたね。
ライブは凄く影響が大きかったですね。
そこで出会った女の子軍団みたいなのがいて(笑)。
その女の子軍団を率いていたのがアメ村の古着屋さんのオーナーのお姉さんやったんですけど。
その人が’60sのビッチファッションみたいなんを発信していて。
自分もガッツリしていました(笑)。
みんなそのお姉さんのファッションに憧れて真似していました。
そのイベントは、当時のガレージパンクシーンを牽引していました。
今、’60sのファッションを好きな子を見ても、あのテイストはあんまり見ることはないですね。
みんなそのイベントの為にオシャレして集まっていましたね。
20才の頃に
買った古着は?
大ぶりのフォルムがイケてるイヤリングです。
最近、あまり見かけないデザインなので気に入っています。
今でもスタイリングのアクセントとして活躍しています。

最近、買った
お気に入りの古着は?
渚ようこさん* の遺品で、近しい方が気を回してくれはっていただいたニットです。
ようこさんは手編みするのが好きな方で、こちらもおそらく手編みのニットだと思います。
パフスリーブのデザインなど凄く可愛くて、置いとくものなのかなぁとは思いますが、気に入って普通に着ています(笑)。
気に入り過ぎて、編み物できる人にこのカタチできない? って聞いたんですけど、モヘアとか凄い量を使っていて何万かかるかわからへんでって言われて諦めたんですけど。
でも、めちゃ愛用しています。

*山形県出身の女性歌手。歌謡曲をテーマに、単独及び他ジャンルのアーティストとのコラボレーションまで多彩な音楽活動を繰り広げていた。レーベル『Sound・Of・Elegance』を主宰。2018年9月28日、心不全の為、他界。
なぜ京都で古着屋を
始めましたか?
学生時代に京都の古着屋で働いていた時に、顧客さんがいたのでその流れで。
今でもたまに遊びに来てくれますよ。
もし古着屋を
やっていなかったら?
学生中に就職活動をするのが遅過ぎて、焦って受けた美容系の会社が怪しくて(笑)。
結局、そこでは働かなかったのですが、美容の仕事にも興味が無かった訳ではないので、ネイルサロンなど美容系で働いていたかもしれませんね。
当時、家で付け爪を描いていたりしていましたし。
ソニプラで売ってたものに自分で描いてたら、売れるやん!!! って思ったり(笑)。
今後の京都で
やっていきたいことは?
うちのお店の取材時にも話しましたが、閉店後に営業する音楽サロン『大粒の泪』をどんどん活性化していきたいですね。
オシャレとかではないですけど(笑)。
でもホンマに老若男女問わないいろんな人が集まるイベントになっています。
サクッと終わるイベントなので、みんな「あっ、楽しかった」って帰っていきますよ(笑)。
古着やファッション初心者に
伝えたいことは?
特にないですけどね(笑)。
でも、リアルに触れてほしいことですかね。
20代の友人の子を見ていて思うのですが、SNSのポジショニングに悩んだりしてて。
私は現場で会った人にビビビッてなったり、その人の雰囲気に憧れたりしたことがあったので、直接会って感じる雰囲気をリアルに触れた方がおもろいんちゃうかなとは思いますね。
今のSNSが全て悪いとは言いませんが。
その子らの中ではファッションがキーワードになってて、どこどこの有名なお店にフォローバックされているとかが重要になってくるらしいんですよ。
なんですけど、その子が以前、SNSとか全然やっていないけど日本一カッコいいんちゃうかなって思うとある古着屋で働いていたんですけど。
私的には、それが一番カッコいいやんって思うのですけど。
SNSがある便利な世界やから、それもアリきでリアルな存在にも触れて欲しいなぁとは思いますね。
とは言えど、私もSNS無しでは仕事できませんけど(笑)。
大人はSNSとの付き合い方がある程度分るとは思いますけど、若い子は思いの外、SNSに振り回されるんやなぁと、その子と話していて感じました。


OWNER'S VOICE
「既存の’50~’70sスタイルはもちろん素晴らしくわたしも大好きなのですが、ご来店くださる方がそれぞれの時代のカルチャー&スタイルを知った上でまた新しいコーディネートの閃きのきっかけやスパイスになれたら嬉しいなーと思います。そこから私が刺激を受けたり気づかされる事も多々あり、それが私が思う古着屋としての理想の形だと思っています」